パーゴラ (美佐子の独り言)





clock (パーゴラ、パーゴラ、パーゴラ、パーゴラ・・・・・・)
美佐子は口の中で、何やら呟きながら、急ぎ足で、
オフィスへ戻った。

時計の針は12時30分を指している。

ほとんどのスタッフは、まだ、昼食から戻ってきていない。


美佐子は、大急ぎでパソコンのスィッチをONにした。

(パーゴラ、パーゴラ、パーゴラ、パーゴラ?)

あれ?パーゴラ?バーゴラだったかしら?
手帳に控えておけば良かったのに。
でも、昼食に行くだけだから、お財布だけ持ってでかけたのよね。
手帳なんて、持ってるわけないじゃない。

PCが、立ち上がった。

とにかく、検索してみよう。「バーゴラ」


Googleで、検索したら、

「もしかして: パーゴラ」

ですって。

やっぱり、パーゴラなんだ。

いやぁ、いっぱいありますね。

パーコラ作り方
パーゴラ DIY
パーゴラ キット
パーゴラ 屋根
パーゴラ 自作

まあ、あのパーゴラを自作で作れるの。 驚き。

とにかくウィキペディアをみてみよう。っと。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%83%BC%E3%82%B4%E3%83%A9

由来
パーゴラとは、もともとイタリアでぶどう棚をさした言葉。それがテラスの上部に組む棚をさす意味となり、植物をはわせることによって、日陰をつくり、ティータイムなどを楽しむくつろぎの場となったり、ガーデニングの立体的な景観を楽しむものとなったといわれる。
(ウィキペディアより引用)

なるほど。そうなんだ。
パーゴラが、ぶどう棚とは知らなかった。

しかし、
さっきの住宅雑誌に載っていたパーゴラ、良かったな。

「パーゴラのある庭園」っていうのだったかしら?

でも、あの写真を見るまで、あれがパーゴラっていうことも知らなかったのよね。私。

それにしても、いったい、なぜ、パーゴラの写真を見てしまったのだろう?
本屋さんに行ったのはHTMLをすこし勉強したいと思ったから。
だって、最近の若い子ったら、冗談半分に「お局様はコンピューターにもお詳しんですか?」
なんて、言うんですもの。
だから、パーゴラ、じゃない、HTMLでも勉強しておこうと思って、本屋さんに行ったわけ。
PC関連の本があるコーナーへ行こうとしたら、あのパーゴラが、私の眼に飛び込んできてしまった。
何故か、パーゴラの雑誌の前から動けなくなって、パーゴラの写真を見てしまった。
そうしたら、パーゴラが私の目に焼き付いてしまって離れなくなってしまった。

たかがパーゴラ。されどパーゴラ。

house
なんだか、パーゴラに取りつかれてしまったみたいで、あのパーゴラが、白いパーゴラが目にこびりついて離れなくなってしまった。

しかし、不思議だな。今まで、住宅の雑誌になんて、まったく興味なんか無かったのに。
ましてや、パーゴラになんて。とにかく、パーゴラっていう言葉さえ知らなかったのだから。

やはり、38才という年齢のせいなのかな?突然パーゴラに洗脳されてしまうなんて。
(パーゴラ、パーゴラ、パーゴラ・・・)
うるさいな。

どうしていつもこうなってしまうんだろう。何かが気になると、その言葉が頭から離れなくなってしまう。

(パーゴラ、パーゴラ、パーゴラ・・・)
ほんとうに、うるさい。もうすぐ仕事が始まるのだから、いい加減にやめて。

(パーゴラ、パーゴラ、パーゴラ・・・)

やっぱり38才のせいかも。

そりゃ、私だって知ってますよ。とうに、結婚適齢期が過ぎたのくらい。会社でも、負け組とか、ハイビスカスとか、鉄の女とか、経理のK君なんて、いかず後家って言ってたとか。

もちろん、すこしは気になったけれど、深くは気にしていなかった。

だって自分の人生なんだもの。自分に満足できればいいじゃない?
それに、20才の時に片思いをしてからこのかた、この人という人にも巡り合えなかったし。

(パーゴラ、パーゴラ、パーゴラ・・・)

私だって夢見ますよ。パーゴラのある家(何色のパーゴラかな?やっぱり白いパーゴラかな?)そこで、優しくって、理解があって、頭も良くって、ハンサムで、そんなベターハーフと暮らせたら。って。
もう、仕事なんて、知―らない。

(パーゴラ、パーゴラ、パーゴラ・・・)


「森野さん、午後からまた、ワードの続き、教えてくださいね。」

あぁ、驚いた。もう、1時なんだ。

さあ、仕事、仕事。

(パーゴラ、パーゴラ、パーゴラ・・・)

本当に、ストップしてね。仕事中、そのバックサウンドは困るのよ。お願いだから。)

(パーゴラ、パーゴラ、パーゴラ・・・)


⇒ 白い屋根のパーゴラ
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